Mile post (指標)をみつける

”森と湖の家”の建て主様より、国立公園特別地域にある湖のほとり、
男体山を臨む大自然の中に「終の棲家になるような、子孫に残せる建物をつくりたい」というお話をいただいたのは、粉雪が舞う冬の事でした。

こうした特徴のある敷地に建物を建てる際大切になってくることは何より、
「なぜこの場所がいいのか」
「この敷地にどんな建物をつくりたいのか」
「そこでどんな暮らしを営みたいのか」
という建て主様の想いです。

これはなにも特徴のある敷地に限らず、どんな建築にでも抱くDIPがとてもたいせつにしているキーワードなのですが、とくに変形地・狭小地・密集地等様々な特性を持つ敷地に対しては、最初にきちんとヒアリングしてイメージを共有しておくことがより重要になってきます。

建て主様の想いは、後につながる様々な諸条件をクリアしつつ、建て主様の夢や希望を叶えていくための大切な「MilePost(指標)」になるからです。

自然との調和

敷地が国立公園内ということもあり、環境省と何度も話し合いを重ねた結果、自然を壊さずオーガニックで環境にやさしい建物ならという大前提のもと、建築許可をいただきました。

自然を愛する建て主様との本質的な考えは共通していましたので、”自然と調和する建築”という大きなキーワードの中で少しずつプランを進めていく事になりました。

建築は湖を広々と眺めながらゆっくりとした時間を過ごせるような、シンプルで恒久的なデザインを心がけ、材料にも米杉の外壁材に石やタイルを多用した、厳しい自然環境にも耐えつつ視覚的環境にも配慮したデザインになっています。

スケッチイメージ

自然を存分に感じるために、インテリアはよりシンプルに。 壁には空間のアクセントに自然石をデザインしています。

相談する人がいない?

これはどの物件に対しても必ず起こり得ることですが、長いお打合せの中でご家族での場合は特に「自分たちの希望」という漠然とした夢がやがて「ご主人様」「奥様」「お子様」「祖父母様」の‘個人の夢・希望‘へと変わることが起きてきます。

これはとても良いことでプランがきちんと前進している兆しなのですが、重要なことはその「特定のだれか」のご希望もきちんと聞き入れ、限られた時間の中でご要望を叶えていかなければならないということです。

今回ご紹介させていただいている「森と湖の家」のご夫婦様の場合、温和で明朗なご主人様と聡明で快活な奥様のお二人とのお打合せの中で、「ステンドグラスや少しかわいらしい要素も取り込みたい」という要望があった奥様のイメージをきちんと汲み取り、お話をお伺いし、イメージを共有できたかどうかという点では、少し反省すべき点もあったように思います。

完成をとても喜んでくださったお二人のためにも、イメージを共有していくプロセスを大切にしていこうと改めて想いました。

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