
LESLIE KEE も撮影に使った石のアトリウム。photo by sayama
皆様、お変わりなく元気にお過ごしでしょうか。5か月ぶりの建築日記ですが私もDIPもスタッフも大変忙しく日々設計とデザインと打ち合わせと現場を東奔西走して作品創りを進めさせていただきております。
盛夏の8月に宮城県に行ってきました。理由は、どうしても使いたいSTONE「石」があったので。
原石の採掘場や加工仕上げ場も拝見しましたが、最大の目的は間もなく完成する建築の、重要なアート作品(Art work)になる石を選定するためです。

大蔵山スタジオ様 本社アプローチ

広大な敷地内にあるアート作品 photo by sayama
伊達冠石は安山岩に属する火成岩で、写真のように表面は茶褐色のようなタンカラーのベルベットのような独特の色具合です。ご案内いただいた村上統括マネージャーによるとマグマの鉄分が2000万年の月日を経て酸化し、それによって表面が鉄褐色を帯びているそうです。しかし、内部は漆黒色なんですね。原石も拝見しましたが一つの単語では表現できないくらい、様相と文様がすべて異なる、しかし味わいのある素材ばかりでした。

DIP 森へひらく平屋 01

DIP 森へひらく平屋 02
8月末に完成するこの「森へひらく平屋」アプローチエントランスに景石として使用いたします。原石のまま使いますので景石とは言わないかもしれませんが、村上マネージャーと高木さんのお蔭で素晴らしい形と表面色の原石を見つける事ができました。私の好きな、イサムノグチやヨウジヤマモトも、この石とつながっている事が冠石に敬愛の気持ちを抱く理由です。
そもそも石はプリミティブ(原始的、未発達、粗野)な素材です。しかし、工業化され均一化した建材や素材は悪くはないけれど、それだけでは叙情的ではないですね。
栃木県にも大谷石をはじめ、三毳石、芦野石、岩船石、など良質な石素材があります。 どの石もデザインし、使わせていただいておりますが、伊達冠石は他の素材にはない、圧倒的なプリミティブさと、それゆえに建築家・彫刻家たちアーティストの創作に対する探求心を刺激する「stone」なのです。


那須の邸宅(仮称)
冬の那須はとても寒いです。しかし、空気が澄んでいて呼吸をすると新鮮な酸素が身体を巡り気持ちが落ち着きます。 久しぶりの建築日記ですがみなさんお元気でしょうか。 わたしは相変わらずに設計・デザイン・打ち合わせや、素材探求の旅をしています。那須の邸宅もガレージと庭園を残すくらいになりました。春にはGalleryのような建築群が見て取れると思います。

ホールのピクチャーウインドウ

書斎へつづく扉

このテーブルは THE LIVE EDGE (MASTERWAL)。
世界で一枚のライブエッジ(一枚板)です。木目の美しさ、その手触り感、そして空間に溶け込み過ぎない存在感。素敵な器と美味しい料理がより引き立ちます。那須の四季にも違和感はまったくありませんね。

東京駅壁面緑化
光と雨はあるけれど、無機質な空間に施す緑化デザインの仕事を進めさせていただいております。八重洲口のグランルーフ下にある階段わきの壁面緑化を見てきました。写真の植栽は全て自然の木々、植栽なのでもちろん自動灌水が整備されています。屋上庭園もよいですが壁面の緑化はデザイン的に非日常性があります。普段はグランドカバーとして視線を見下げる場所にあるものが水平に「観る」ことがその理由かもしれません。それがイミテーションでないことが心象に残るのでしょうね。 那須の自然にはない、もう一つの自然を感じました。これも素敵な自然です。

TokyoSquareGardenの屋上緑化
今回の完成見学会は1日限定、かつ1組づつのご案内ですので前回同様、先行して見どころをブログにてご案内させていただいております。「パークサイドハウス」とは名前の通り、敷地の南側に宇都宮市の広い公園が隣接するロケーションです。陽当たりも風通しも充分な敷地です。公園からの視線など、プライバシーの確保は台形の中庭と植栽で確保するよう設計・デザイン致しました。

公園側から中庭とリビングエリアを見る。

洗面とランドリーエリアにあるカウンター。気の肌触りが柔らかい雰囲気。洗濯物をたたんだり、着替えを置いたり多目的に利用できます。上段棚の棚受け金物はFUTAGAMIの真鍮製品。

洗面ランドリーエリアにある天井埋め込み型の室内物干しパイプ。上下します。

洗面ランドリーエリアのシンク周辺。壁横幅いっぱいのミラーは写真で見るよりもよりも大きく、2人~3人同時にお使いになれます。

ダイニングテーブルはMasuterWal製。ペンダントライトはFUTAGAMIの明星、黒ムラ仕上げ。どちらもクラフトマンシップを感じる一級品ですね。

1階と2階をつなぐ片持ち風階段。アイアン製の手摺は施主さま用のシンプルなオリジナルデザイン。

リビングエリアの煉瓦タイル。日差しがあるときも美しい色ですね。
既にお住まいになられている建て主様からDIPへの温かいお気持ちと御好意に深く感謝致しております。 実際の空間をぜひ体感いただければ幸いです。

みなさん、お元気ですか。暖冬と乾燥で風邪などひかぬようお気を付け下さい。慣用ですが2018年もあと数週間となりました。慌ただしい毎日かと思いますがそんな時こそ、少し心に余裕をもって過ごしたいものです・・・。と、いうことで素敵な家が完成しましたので見学会を開催させていただきます。建て主様に感謝致しております。この建築日記では開催に先立って見どころを少しご紹介させていただきます。 まず外壁材は、遮熱性フッ素樹脂塗装ガルバリウム鋼板です。通常のガルバ鋼板では表現できない表面の平滑性と美しい水平ラインが上品さを醸し出しています。さらに20年は確実に色褪せないフッ素樹脂を焼付塗装しており遮熱性と木造45分準耐火にも対応しています。一般的なリブ型ガルバ鋼板では表現できない意匠性と高い機能性で資産価値の高い家を設計デザインしました。

昼は艶やかに、夕景では落ち着いた漆黒で深みを増す外壁。

デザインのコンセプトは建物全体もインテリアも
「端正で洗練された日本美の表現」、そして「クラフト感のある素材とディテール」です。上の写真は玄関たたき部分。正面の造作家具は本体と扉の素材を変えました。扉は無機質に、本体は有機的にすることで手作り感のあるモダンなオリジナル家具に見えます。扉の摘みは付けずに大手部分に手掛欠きをしています。すっきり見えますね。上框は大谷石のコーピン仕上げ。出隅は軽く面取りしました。できるだけ「みそ」が無いところを選んでいます。土間は墨入りモルタル。墨の種類や分量は経験値によりますが落ち着いた良い色むらが表現できました。床材は無垢ナラ材オイルフィニッシュ。オイルは建て主様の手によるものです。正面中央のカウンター材はベンチにも使う事ができます。

リビングのシアターエリアです。テレビサイズは確か65Vでしたでしょうか。大型テレビを壁付けにしても違和感のない壁面は素焼きの煉瓦タイルです。天井高さ4メートル付近まで積み上げています。タイルの目地は詰めずに空目地にしてありますが、それはタイル一つ一つに陰影をつくり素焼きの素材感を際立たせるためです。上部には照明のグレアレスDLが仕込んでありますのでライティングにより壁面のクラフト感がより色濃く感じられます。 実は昼間の煉瓦タイルも素焼きの色がとても綺麗ですので是非実物をご覧ください。
次回は水廻りのこだわりポイントをご案内致します。

isseymiyake 京都店
皆様、お元気でしょうか。
私も元気に設計・デザインに関わる思想と技術と現実性にまみれながら進んでいます。日々、考えたり、悩んだり、思いついたり、実行したり、デザインの引出を増やしたりしていたらあっという間に半年が過ぎてしまいました。 この数か月の間にも様々な場所に行かせていただきました。少しづつご報告致します。
いつの頃からか、 年に1度か2度は京都に行こうと決めています。京都の何処が好きかは未だ分かりませんが、多忙な中でも行ってみると新しい発見が必ずあるところが良いのかもしれません。 今回は町屋を意識して歩いてみました。中村好文さんとミナペルホネンの皆川明さんが手がけた「京の温所 釜座二条」に宿泊できたのも良い時間でした。

温所ファサード

温所 中庭
町屋の探求話しは沢山ありますので次にゆっくり書かせていただきます。下の45のように場所の空気感を醸し出す店が沢山ありました。この辺は東京とは違いますね。

45r 京都店
素材探求で得た思考と、同時に設計・デザイン・現場へと動いています。進行中現場の一部をご紹介いたします。

那須の平屋

回廊の家

アニマルクリニック

KJ house

Spiral Garden