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OWNERS BLOG社長ブログ

素材探求の旅 ザ・リッツ・カールトン日光

2021年06月22日

Photo by sayama

 

 

みなさま、こんにちは。代表の佐山です。最近は、日中の気温が上がり、少し動いただけで汗ばむような日も増えて参りました。当社の打ち合わせ室から望む山の木々も、日に日に青が深まり、新しい季節の訪れを感じます。

 

 

今回の「素材探求の旅」は、
まだ雪の残る昨年12月に『ザ・リッツ・カールトン日光』を訪れた際のお話をしたいと思います。

 

 

かねてより、全国のラグジュアリーなホテルや旅館に興味があり、仕事の合間を見つけては、実際に宿泊をしておりました。

 

 

自身がリフレッシュしたいというより、そういったホテルや旅館からは、多くの学びが得られるためです。設計・デザインはもちろんのこと、内装やインテリア、接客・サービスに至るまで、そこで得た気づきやアイディアを、DIPの建築やサービスに活かしていきたいと考えております。

 

 

この『ザ・リッツ・カールトン日光』は2020年7月にオープンしたばかり。中禅寺湖畔の男体山を望むロケーションが特長で、温泉施設があるのは全国のリッツ・カールトンでも初めてです。

 

 

外観やエントランスはとてもシンプルで素材も統一されたデザインです。

エントランスエリアで印象的だったのは、ロビーに入る前の自動ドアです。サイズアウトした大きさで、まるで壁がスライドして動いているかのようでした。おそらく高さ4m、幅2.5mくらいはあったように思います。

写真では伝わりにくいですが、実際に見ると「扉」とは到底思えないプロポーションです。

 

 

ホテルに到着したのは、日が落ちたころ。

夕食は、こちらのダイニング「日本料理 BY ザ・リッツ・カールトン日光」で頂きました。

天井には「鹿沼組子」があしらわれているなど、栃木の伝統工芸が随所に取り入れてあります。私の尊敬する建築家・谷口吉生氏が「建築は『素材』と『光』と『プロポーション』」とおっしゃっていましたが、この会場も、照明や上質な素材が、バランスよく空間にデザインされておりました。

 

 

深夜に「ザ・バー」へ。アートのようにコーディネートされたボトル、そのライティング、カウンターのサイズや質感。
ある意味このホテルに来た理由はここに有ります。

 

 

カウンターの白いジャケットを召したマスターバーテンダーに、20代のころに勧められて飲んだウイスキー(Old RIP VAN WINKLE)があるかお聞きしてみましたが、それはもうおそらく廃盤なので置いてはいないとのこと。過去に、都内など他のバーでも聞いてみても「知らない」と言われてしまうことが多かったため、すぐに分かっていただけたことが、まず驚きでした。しかも、「似たものなら…」と、少し目を閉じてから直ぐに代わりのものを提案してくださいました。

「バーテンダーという仕事は、どれだけお客様の事を思うかが大切。」、と若いころに教えられましたが、知識の深さと「お客様が言葉にされない願望やニーズを先読みしておこたえするサービスの心」というリッツカールトンのクレド(企業理念)にあらためて感心いたしました。

 

 

バーコーナーの美しいデザインだけでなく、プロフェッショナルなサービスにも感動するひと時でした。

 

 

宿泊した部屋では、細かなところに注目してしまいます。例えば、照明スイッチやシャワーのメーカーなど。部屋全体の雰囲気に調和させるためには、どういったデザインのものを使っているのか、そして、コンセントの位置はどこにしているかまで気になってしまいます。

バスルームの設備は、アメリカのメーカー「KOHLER(コーラー)」製

テレビは扉を下げると、全てを隠せるようになっています。これも生活感をなくす工夫のひとつ。

 

 

バルコニーからは中禅寺湖と男体山が望めます。

椅子に腰掛けて、雪の残る中禅寺湖畔の風景を満喫できます。手すりがガラス張りなので、景色を遮りません。

 

 

そうして景色を眺めていると、ふとDIPが手掛けた「森と湖の家」から望める中禅寺湖の風景を思い出してしまいます。

住宅とホテル(プライベートとパブリック)という用途の違いはありますが、「森と湖の家」のリビングから感じる湖面の近さ、美しく変容する湖と男体山の色、八丁出島の紅葉、風と波のバランス、どれもリッツ以上の贅沢で特別な感覚です。

※よろしければ、DIPの作品紹介もぜひご覧ください。

「森と湖の家」https://www.dip7.com/wp/house_design/case004/

 

 

このようなラグジュアリーホテルは、「非日常」を感じる空間の創り方が上手くとても参考になります。

本来は写真を撮るより、その場でスケッチを描いたほうが細かなディテールまで頭に残るのですが、時間がなかったのでそれはまたの機会に。

 

 

レストラン「レークハウス」。デザインへのこだわりを感じます。

 

 

短い滞在でしたが、新たな建築やサービスに触れることができ、大変充実した時間を過ごすことができました。

 

 

遠出は難しい昨今ですが、世界が落ち着いてきましたら、様々な地域のホテルや旅館、施設などにも足を運びたいと考えております。

私共も忙しい日々が続いております。皆様もどうかご自愛の上お過ごしください。

またここでお会いしましょう。