ペントハウスとは?マンション最上階の魅力と注意点

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海外ドラマなどの影響もあり、「一度でいいからペントハウスに住んでみたい」「ペントハウスから花火を見てみたい」と憧れる人も少なくないでしょう。
日本のタワーマンションにもペントハウスはありますが、物件数も一般的な認知も少ないのが実情です。
しかし、近年タワーマンションの需要が高まったことにより、分譲物件・賃貸物件として注目を集めています。
この記事では、ペントハウスの魅力や選択する際の注意点などを解説していきます。
憧れのペントハウスに住む生活を検討する際には、ぜひ参考にしてみてください。

最上階に設けられるペントハウス

日本の不動産業界で扱われているペントハウスには、どのようなものがあるのでしょうか。
実はペントハウスという言葉には、2つの意味が含まれています。
まずはペントハウスの基本情報を詳しく解説します。

マンション最上階にある特別仕様の部屋のこと

ペントハウスの1つめの意味は、海外映画やドラマにあるような、高級マンションの最上階にある住戸のことです。
1920年代にアメリカで発案され、今では欧米だけでなく、アジア圏でも富裕層向けに建設されるようになりました。
日本では、好立地にあるタワーマンションの最上階に設計されています。ワンフロアを専有していることが多いため、戸建て住宅のような感覚で生活できる住戸です。
他にも、メゾネットタイプや2〜3住戸タイプなど、さまざまな仕様の間取りがあります。
最上階からの眺望やラグジュアリー感のある空間は、他の住戸にはないハイグレードな場所であることは間違いないでしょう。
そのため、高額な購入金額や家賃を支払える人にのみ不動産会社が直接紹介することもあり、一般的な不動産検索サイトなどには掲載されません。
また、高級ホテルにある最上階の豪奢なスイートルームを「ペントハウス」と呼ぶこともあります。

屋上の機械室やタンクなどもペントハウスと呼ぶ

2つめの意味は、マンションやビルの屋上に設置されている物置や小屋をさします。場所によっては、階段室やエレベーター機械室、給水タンク置場などもペントハウスと呼ばれています。
もともとペントハウスという言葉には、建物の一番上にある「小屋・部屋」という意味が含まれています。

タワーマンションの最上階に設置も多い

ペントハウスは必ずしもタワーマンションのみに設置されているわけではありませんが、近年の需要により、高級物件としてタワーマンションにつくられることが多くなりました。
ワンフロア仕様の場合、下の階の住戸が10戸ならばペントハウスは10戸分と共有部分を1戸として設計されるため、かなりの大空間の間取りを確保できます。
そのため部屋だけでなく、廊下や玄関などもゆったりした、ぜいたくな仕様となるでしょう。

別荘のような特別感を味わいたい方におすすめ

ペントハウスは、別荘のような特別感を手に入れたいと考える人におすすめの住戸です。なぜならペントハウスには、豪華な設備や内装が設計されているからです。
ペントハウスには専用エレベーターが設置されていたり、バスルームに広いジャグジーが設計されていたり、非日常感のある空間として演出されている物件があります。
ペントハウスは誰もが簡単に住めるわけではありません。ペントハウスに住むこと自体がステータスであり、それに相応しい人のみが特別な空間を味わえるのです。

ペントハウスの間取りと特徴

では具体的なペントハウスの間取りを見ていきましょう。他の住戸とは違うラグジュアリー感は、どう演出されているのでしょうか。この章では、ペントハウスの間取りと特徴について解説していきます。

マンションの他の部屋とは仕様が異なる場合がほとんど

ペントハウスは同じマンションでも下の階にある部屋とは一線を画した、ハイグレードさが魅力です。
ペントハウスでは、最高級の設備や豪華な内装など、高級タワーマンションの最上階に相応しい設計がされています。そのため住み心地は抜群でしょう。
また、購入者の好みに合わせて、特別な設備などを設置するために、リフォームやリノベーションが施されることもあります。
ペントハウスはどの物件もオンリーワンの住戸であるため、資産としても価値が下がりにくく、希少性が評価されています。

部屋数や天井の高さも他とは違うもの

ペントハウスの間取りは、同じマンションでも下の階とはまったく異なります。
一般的なマンションの場合、天井高は2.3〜2.5m程度がほとんどですが、ペントハウスは最上階にあるため、天井高は3.0m以上で設計され、吹き抜けを設置する物件もあります。
フロア面積もかなり広く、家族の人数分の個室や趣味の部屋など、部屋数も多く設計できます。
また、各部屋を広く設計できるため、海外ブランドの大きい家具をおいても圧迫感を感じないでしょう。

新築は間取りやデザイン・仕様を注文可能

ペントハウスの新築物件では、間取りや室内のデザインを事前に決められることもあります。
一般的なマンションはタイプごとに同じ設計の間取りを採用されていますが、ペントハウスは完全にオリジナルの設計となり、自分の生活スタイルにあった間取りを選択できます。
中古物件の場合でも、リノベーションで最高級設備や購入者仕様の内装に変更する場合が多いため、住む場所に強いこだわりを求める人におすすめです。

特徴1:専有面積が広くワンフロア専有のものもある

ペントハウスはタワーマンションの最上階に設計され、多くはワンフロア専有で設計されています。大型マンションでは1〜3戸の場合もあります。
部屋の広さはそれぞれ100〜200㎡以上あることも珍しくなく、玄関や廊下、浴室、洗面脱衣室など、すべてのスペースが広くゆったりとしています。
マンションの構造上、柱材は太くなりますが、部屋の中に柱や壁の少ない大空間をつくり出せるのが魅力です。

特徴2:ジャグジー、サウナ付きなどの特別仕様

ペントハウスの購入者の多くは、内装全体を自分好みの特別仕様に変更します。浴室にジャグジーやサウナなどの設備をつけると、さらに快適さを感じられるでしょう。
特別感のある空間づくりができるのも、ペントハウスならではの特徴です。

特徴3:見晴らしがいい

タワーマンションの最上階に設置されているペントハウスは、同じマンションの他の部屋に比べて見晴らしがいいのもメリットでしょう。
ワンフロア専有であれば、すべての部屋の窓からも眺望があり、さまざまな景色を楽しめます。特に浴室からの眺望があると、気持ちがいいリラックスタイムを満喫できるでしょう。

特徴4:ルーフバルコニーがついたものもある

ペントハウスではルーフバルコニーがある住戸も少なくありません。一般的にルーフバルコニーは南向きの場合が多く、都心の立地の場合は北側斜線制限により、北向きのルーフバルコニーが設置されることもあります。
ルーフバルコニーが共有施設として設置される場合はマンション管理になるため、手入れの必要がなくなります。

ペントハウスの魅力

ここでは高級住戸物件の中でも、ペントハウスだけが持つ魅力について、詳しく解説していきます。

開放感がある

ペントハウスでは、開放感のある空間で日常生活を送れるでしょう。
なぜなら、ペントハウスの多くは高級タワーマンションのシンボルとして、ラグジュアリー感あふれるデザインでゆったりと設計されているからです。
ペントハウスは最上階にあることから、天井高3m以上の高さと100〜200㎡以上のフロア面積という特徴があり、かなりの大空間を確保できます。
マンション建築の構造の強さを利用して、吹き抜けのある玄関や大空間のリビング・ダイニング、天井まである大きな窓の設置など、ぜいたくな設計で快適に過ごせる間取りをつくり出せるでしょう。

ルーフバルコニーを満喫できる

ペントハウスにルーフバルコニーがあると、騒音やにおいなどを気にせず、パーティーやバーベキューを楽しめることも大きなメリットです。
マンションでは隣や上の階からの騒音が問題となるケースがよくありますが、ルーフバルコニーがあれば、近隣を気にせず楽しめるでしょう。
広いバルコニーで天気のいい日に、子どもたちが走り回ったり騒いだりしても安心です。

圧倒的な眺望

ペントハウスはタワーマンションに設置されていることが多く、部屋の中からでも圧倒的な眺望を満喫できます。
マンションの周囲にさえぎる建物が少なければ、日の出や夕日を眺めたり、マンションのある立地によっては夜景や花火を見たり、ぜいたくな景色を見ることもできるでしょう。
そんな素晴らしい眺望を室内から満喫できるよう、多くのペントハウスでは高い天井を活かして大きな窓を設置しています。

プライバシーは確保しやすい

ペントハウスはタワーマンションの最上階にワンフロアで設計されていることが多いため、プライバシーを確保しやすいでしょう。
ペントハウス専用のエレベーターが設置されているマンションでは、完全なプライベート空間をつくり出せます。外部からの干渉を受けにくくなり、プライバシーが守られた生活が可能です。
ほとんどのタワーマンションではセキュリティ管理も行き届いており、防犯対策も強化されています。

高級物件の特別感が味わえる

ペントハウスには他の部屋にはない高級設備が設置されており、なかにはジャグジーやプライベートプールがある物件も存在します。
豪奢な広い空間や素晴らしい眺望を独り占めできるペントハウスの存在は、タワーマンションの価値をさらにグレードアップさせています。
このようなペントハウスに住むことはステータスであり、他では体感できない特別感を味わえるでしょう。

ペントハウスの注意点

ここではペントハウスを選択する際に、知っておくべき注意点を紹介します。ペントハウスならではのデメリットもあるため、しっかり確認しておいてください。

物件数が少ない

ラグジュアリー感が魅力のペントハウスは、好立地の高級タワーマンションの最上階にしか設計されていません。そのため物件数自体が少なく、物件価格もかなり高額です。
さらに誰もが購入できる金額ではないため、不動産会社から紹介してもらうことでしか実物を確認できないことも多いでしょう。
また、一般的な物件検索サイトなどで紹介されているペントハウスは、単にマンションの最上階の物件を指している場合が多く、これまで紹介してきたハイグレードなペントハウスとは異なるものです。低層マンションであってもペントハウスとして紹介されている場合があるため、注意してください。
ネット検索するときは、「高級マンション」などと入れてみる、価格の下限を高く設定するなど工夫して探してみましょう。

物件価格、管理費や修繕積立金は高くなる

ペントハウスはタワーマンションの中で最もハイグレードな住戸のため、物件価格や賃貸料は相場よりもはるかに高額で、一般的なサラリーマンにはなかなか手が届きません。
また、マンションの管理費や修繕積立金は専有面積に応じて設定されているため、ペントハウスには他の住戸よりも負担が大きく設定されます。
そのためマンションによっては、支払い能力のある人にしか紹介されない住戸もあります。

天候の影響を受けやすい

タワーマンションの最上階にあるペントハウスですから、自然現象や天候の影響を受けやすく、中でも風や日照り、地震の影響はかなりあるでしょう。
日常生活で特に注意が必要なのは、強風です。ルーフバルコニーやベランダに置くものは、強風対策を考慮して置くことをおすすめします。台風や竜巻が発生した場合には、ルーフバルコニーに出してあるイスや植木鉢などもすべて、部屋の中に避難できるようにしておきましょう。
夏の日照りの影響もかなりあるでしょう。立地にもよりますが、タワーマンションの最上階は、他の建物による日陰がほとんど期待できません。屋上にあたる太陽光によって部屋が高温になるため、エアコンなど冷房機器の光熱費が、かなり高額になることが予想されます。
また、地震が起きたとき、タワーマンションの最上階では長く揺れを感じる可能性があります。最近のタワーマンションは免震構造が採用されているため、最上階でも揺れは小さくなってきているようです。

災害時は不便

停電時には、ペントハウス専用エレベーターも使えなくなることが予想されます。
生活のためとはいえ、タワーマンションの最上階から階下まで往復するのは現実的ではありません。そのため、避難生活を送ることも想定しておきましょう。
さらに恐ろしいのは火災が発生した場合です。炎や煙は上に向かって上昇してくるため、逃げ場を失いかねません。
まずは避難経路をしっかり確認して、消化器を用意するなど、事前に防火対策しておくことをおすすめします。

ペントハウスは希少。不動産会社にご相談を

ここまで、ペントハウスの魅力や選択する際の注意点などを解説してきました。
ペントハウスは高級感のある空間としてだけでなく、希少性の高い不動産物件で、それだけ資産価値があります。
ペントハウスの魅力と注意点をしっかり確認し、あこがれの優雅な暮らしを手に入れるか、検討してみてはいかがでしょうか。

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