サイディングとは?種類や費用、メンテナンスのタイミングを解説

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住宅の外壁材は、耐久性や耐候性を左右する大事なものです。また、新しい住まいを選ぶ方は、外観の種類も気になるところでしょう。近年主流の外壁材は、サイディングです。サイディングは耐久性が高く、豊富なデザインから選ぶことができます。住まいの外壁材を選ぶ際は、サイディングの種類や特徴を知っておくと役立つでしょう。本記事では、4種類のサイディングとメンテナンス方法について説明します。ぜひ参考にしてみてください。

サイディングとは?

サイディングは住宅に用いられる外壁材です。以前はモルタルを用いるのが一般的でしたが、現在ではサイディングの外壁が多くなっています。サイディングはモルタルに比べて工期が短く、費用を抑えられるメリットがあります。また、軽量なため住宅にかかる負担が少ないのが特徴です。耐震性や耐久性も優れていますが、定期的なメンテナンスは必要です。メンテナンスの方法については、後ほど紹介します。

サイディングの特徴は、デザインやカラーが豊富なことも挙げられます。ベーシックなモノトーンから温かみのあるベージュ系のカラーまで、好みに合わせて選べるでしょう。質感もさまざまで、木目調・レンガ調・タイル調などから選べます。パネル状のボードを貼り付けて施工するため、デザインの違うサイディングを組み合わせることも可能です。

一例としては、住宅の角部分にタイル調のサイディングを施し、アクセントにする方法があります。また、材質の違うサイディングを組み合わせてデザインすることも可能です。複数のサイディングを組み合わせて使うと、オリジナルなデザインの住まいが建てられます。

サイディングの種類は主に4つ!

住宅に使われているサイディングは、主に4種類あります。性能とデザインがそれぞれ異なるため、求める仕上がりや地域に合わせて選ぶとよいでしょう。ここでは、4種類のサイディングの特徴を紹介します。

窯業(ようぎょう)系サイディング

住宅の外壁材の70%を占めるともいわれる、広く流通している外壁材です。とくに新しく建てられた住宅は、窯業系を用いていることが多いです。遮音性や防水性が高く、汚れにくい特徴があります。また、施工しやすいため工期が短くて済むのもメリットです。メンテナンスに手間がかからず、中には汚れが雨で落ちる外壁材もあります。

原料はセメント質・繊維質で、形の自由度が高いためデザインも豊富です。耐久性が高く安価なため、コストパフォーマンスが高い外壁材といえます。

金属系サイディング

リフォームに多く用いられる外壁材です。ガルバリウム銅板のサイディングが最も使われていますが、アルミやステンレスから作られるものもあります。断熱性と遮音性が高く、耐久性もあるサイディングです。ただし、費用が高くなる傾向で、とくにステンレス系は高価なものになります。

施工方法としては、外壁カバー工法があります。既にある外壁の上からサイディングを施工する工法で、リフォームに最適です。

木質系サイディング

天然木を炭化処理し、塗装した外壁材です。木の質感や木目が特徴で、ナチュラルな外観に仕上がります。耐火性や耐水性、汚れにくさでは他のサイディングに劣るため、部分的に使う方法もあります。

以前は、防火指定地域で制限があるデメリットもありました。しかし近年は、防火構造の制限がある地域でも使用できるよう、処理されたサイディングが増えています。木質系は経年とともに色合いが変化する楽しみもあり、他のサイディングとは違った風合いがあります。

樹脂系サイディング

塩化ビニル樹脂から作られる、アメリカ生まれの外壁材です。日本では北海道や東北地方で使われ始めました。耐久性・耐候性に優れており、軽量なため工期も短いです。表面を塗装したサイディングと違い、樹脂に顔料が混ざっているため色落ちの心配がありません。また、破損した場合は一部だけを張り替えることも可能です。

施工時にシーリングを使わない製品もあり、綺麗に仕上がるメリットがあります。ただし、日本では広く流通していないため、取り扱っている建築会社が少ない傾向です。

サイディングの費用はどれくらい?

サイディングの種類によっても、かかる費用は変化します。性能やデザインに加えて、費用の違いも把握しておくとよいでしょう。また、サイディングが破損した場合は補修費がかかります。ここでは、サイディングの費用と補修費の目安について紹介します。

窯業系サイディング

住宅に最も用いられているサイディングで、大量生産されているため比較的安く手に入ります。1㎡あたりの値段は、4,200〜5,200円ほどです。長く住むためには、塗装が必要になります。

金属系サイディング

金属系サイディングもコストパフォーマンスがよい外壁材です。1㎡あたりの値段は、4,300〜5,300円ほどです。施工後の塗装が必要ないため、メンテナンスの費用を抑えられます。

木質系サイディング

他のサイディングに比べると高価格な外壁材です。安いものでも1㎡あたり5,000円はかかるため、コストパフォーマンスを重視する方には適しません。メンテナンスの手間を惜しまず、デザイン重視で選びたい方におすすめです。

樹脂系サイディング

シーリングを使わない施工もできる外壁材です。1㎡あたりの値段は、4,300~9,000円ほどと幅があります。機能性は高いですが、施工できる建築会社は少ないのが現状です。

補修するときの費用

補修する方法は、シーリング工事と塗装工事があります。それぞれの相場を、紹介していきます。

シーリング工事

シーリングの打ち直し費用は、35~50万円が相場です。これは、2階建ての一軒家で200mを打ちなおす際の相場です。1mあたりの相場は900~1,200円ほどで、古いシーリングを取り除く費用が1~3万円ほどかかります。また、足場の設置には15~20万円ほど必要です。

塗装工事

2階建ての一軒家で塗装工事を行う場合、70~150万円ほどが相場です。住宅の形や塗料の質によっても、かかる費用は変化します。また、サイディングの一部が破損している場合は、重ね張りが必要です。さらに、破損が下地まで及んでいるときは、張り替えもしなければなりません。重ね張りの相場は120~250万円ほどで、張り替えの相場は150~300万円ほどです。

塗料代の相場を紹介しましたが、これに加えて工事費もかかるのが一般的です。工事費は建築会社によって異なるため、確認しておきましょう。また、シーリングの打ち直しと塗装を同時に行うことで、費用が抑えられるケースもあります。

サイディングのメンテナンスのタイミングは?

サイディングの外壁材を用いた住宅は耐久性が高いですが、安全性を保つためにはメンテナンスも大切です。新しく住まいを購入する際は、メンテナンスの頻度や劣化症状を把握しておくとよいでしょう。ここでは、サイディングの耐用年数や、気を付けるべき劣化症状を説明します。

耐用年数

サイディングの耐用年数は、窯業系・金属系・木質系・樹脂系が20~30年ほどといわれています。木質系は耐用年数が短い傾向で、15~25年ほどです。耐用年数は、環境やメンテナンスの有無によっても変化します。耐用年数を長くするためには、定期的にメンテナンスを行うことが大切です。

メンテナンスの目安

耐久性の優れた外壁材も、経年とともに劣化するのは防げません。サイディングの場合は、塗料の種類や気候、日光の当たり具合によっても劣化するスピードが変化します。住宅の塗装工事を行う時期は、5~10年が目安といわれています。また、25~30年ほど経つと、外壁の状態によっては張り替えが必要です。さらに、外壁材だけでなくシーリングの劣化も起こりえます。建築会社の定期点検を受けつつ、自分でも1年に1度は外壁の状態をチェックするとよいでしょう。

劣化症状

サイディングが劣化すると、さまざまな劣化症状が見られます。ここでは、サイディングの塗料とシーリングに分けて、それぞれの症状を説明します。これらの劣化症状が現れたときは、メンテナンスが必要です。

塗料の劣化

1つ目はチョーキングです。塗料の合成樹脂が日光や雨風にさらされて、粉状に分解されます。チョーキングが起きているかどうかは、手で壁を触って確認しましょう。壁をこすると手に粉がつく場合は、劣化症状が起きています。放置すると、雨漏りする可能性もあります。

2つ目はサイディングが反る現象です。サイディングボードは熱が加わると収縮しやすく、変形の原因になります。また、シーリングが劣化してすき間から雨水が入ると、サイディングボードが反ってしまいます。サイディングの断面は塗装されておらず、雨水の影響を受けやすいため注意しましょう。

3つ目はヒビ割れや剥離です。サイディングに雨水が入ると、反りだけでなくヒビ割れや剥離も起こります。補修せずに放置すると、雨水が建物の内部まで侵入し、腐食する危険もあります。建物全体の耐久性に関わることもあるため、サイディングのヒビ割れを見つけたら早めに補修しましょう。

この他にも、劣化すると色あせやカビ・サビが発生するケースがあります。色あせは直射日光によりサイディングの色が抜けてしまう現象です。また、カビ・サビは日当たりが悪い場所で起こりやすいです。塗料の防水性が低いと、カビ・サビが発生してしまいます。

シーリングの劣化

シーリングはサイディングのすき間を埋める役割があります。シーリングが劣化すると雨漏りに繋がるため、気を付けましょう。劣化症状は3つあり、1つ目はひび割れです。経年劣化や直射日光、雨風の影響でシーリングはひび割れします。2つ目は断裂です。ひび割れた部分を放置していると、劣化が進み断裂してしまいます。3つ目は肉痩せです。サイディングの間を埋めていたシーリングが細くなり、すき間が生じる現象です。これらの症状が現れたら、シーリングの打ち直しを検討しましょう。

年々進化を遂げるサイディング

以前の外壁材はモルタルが多く用いられましたが、近年はサイディングが主流になっています。サイディングには4つの種類があり、原料や特性が異なります。中でも最も普及しているのは、窯業系サイディングです。大量生産されており工期も短いため、コストを抑えて施工できるメリットがあります。また、デザインやカラーも豊富なため、好みの外観にできるでしょう。耐久性が高いサイディングですが、長く住むためには定期的なメンテナンスも大切です。塗装とシーリングに劣化症状が見られた際は、速やかに補修しましょう。外壁の状態を整えることで、住まいを快適に保つことができます。

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