DIP

屋敷町の家

取材作品

狭小地だからこそ光る、こだわりの家づくり

「KBさんのお宅の敷地面積は約42坪ありますが、実際の生活スペースは36坪ほど。限られた中にオーナーのこだわりを詰めています」と話すのは、DIPの佐山さん。

建物と道路に囲まれた角地で、黒のガルバリウムがひときわクールな雰囲気を漂わせるKBさん宅。宇都宮駅から徒歩15分ほどのところ、空襲から免れた古い昭和の街並みと新しい家が混在する屋敷町エリアに居を構えている。大手自動車メーカーでエンジニアを務めるご主人、奥様、そしてご長男がひとりという家族構成だ。

家を建てるにあたって、ゆったりした暮らしを求めて郊外にするのか駅の近くで便利に暮らすのか色々と悩まれたそうだが、「建築家に頼んだほうが、いい家が建つはず」と判断し、土地探しからDIPへお願いしたと言う。

「DIPさんのホームページを見た時にデザイン性はもちろんだけど、生活に結びついた導線が見て取れたんです。単純にデザインが良いだけのアトリエじゃないんだなと感じました」とエンジニアのKBさん。技術者同士通じ合うものがあったのだろうか、作品を見て、ピンときたのがDIPの佐山さんだったのだ。

土地を探し始めて間も無く出会ったのがいまの土地。「この土地を見たときに、KBさんに合うだろうなと思ったんです。技術者は最新鋭の技術に携わりながらも古い伝統に敬意を払う人が多い。古き良き街並みにそんな共通点を感じました」。(DIP佐山さん)

KBさんに相談した上で、すんなりとこの地に決定。家づくりが開始された。

両側に住宅が接した敷地、そして目の前に道路があるために高さ制限が出てしまうが、そのバランスを法律範囲ギリギリで設計。いちばん日当たりのいい2階はLDKに当て、ウッドテラスとひとつなぎに。これで採光や開放感を確保した。

ダイニングテーブルやソファとともに、スキップフロアを生かして旦那様待望の書斎を設置。奥様が料理をしているときも、子どもがリビングで遊んでいるときも、いつでも家族の雰囲気を感じることができるようになっている。

10畳ほどの広さをとったウッドテラスはプライバシーの配慮も万全。扉を開放して風を入れたり、子供をあそばせたり。休日ともなれば、タープを取り付けアウトドアさながら、BBQを楽しんでいるという。

「頭を悩ませたのは、車を3台置きたいというご希望です。お子様が大きくなってひとり一台持つことを考えると、普通に建ててしまっては難しく、どうしても居住スペースを減らさなければなりません。しかも現状ではお子様が小さいため、普通に設計するだけでは単なるデッドスペースになってしまいます」とDIP佐山さん。

道路に挟まれる形で存在する狭小地の2方向角地。都市部ではよくある土地だが、そこに駐車スペースを三台となると条件はかなり厳しい。この課題に対しては、一階の一部分をピロティとして地面を開放し重量感を緩和することで解決。角地は建ぺい率が10%加算できるため、建ぺい率に余裕を持たせ周囲との距離を大きく確保することで、開口部と駐車スペース、そして居住部に十分な空間をまんべんなく獲得している。

「生活感を感じさせるものを1階に配置せずにすむので、道路からの視線を気にせず生活が送れることも大きなメリットになるのではないでしょうか。また、玄関前の広いピロティを駐車場として利用することで、雨の日でも濡れずに車の乗り降りができるようにしました」。そう話すDIP佐山さんの作る玄関もデザイン性が高い。

杢目も肌も、とても美しいピーラー材の玄関は、現在人気で3ヶ月待ちと言われる家具工房kinomeの特注品。お客様を迎える家の顔としてアプローチ周りを大切に考えるDIP佐山さんならではの提案だ。高い耐久性と直線的でクセのない美しい杢目が、スッキリと美しい玄関を演出してくれる。

丈夫で耐久年数も長く、使い込むほどに出る味わいは、人間が成長するのと同じ。アンティークのように経年変化を愉しむことができるに違いない。十数年先に3台めの車が並ぶ頃には、その熟成はどのようになっているのだろうか、今から楽しみでもある。建築家とともに考えながら、施主の希望を全て叶えた理想の家が完成した。

  • 作品名

    屋敷町の家

  • 所在地

    栃木県宇都宮市

  • 家族構成

    ご夫婦、ご長男

  • 居住年数

    1年

  • 延床面積・間取り

    101.86u(30.84坪) 3LDK+書斎

  • 居住タイプ・構造

    木造2階建て

  • 価格

    家づくり相談をいただいた方限定でお教えしております

  • ご趣味

    車・ご旅行