DIP

奥ゆかしい一部平屋の家

取材作品

計画的なゾーニングを介して、家族のつながりを

烏ヶ森公園近隣のアパートに住み、男の子ふたりの家族四人。そろそろ新築に住みたいと思い、住環境が良いことから同じ市内で探していた岡田さん夫妻がみつけたのは、偶然にも住んでいたアパートの隣の敷地だった。  

「すぐ隣に家を建てるなんて思いもよりませんでした!」と、岡田さんは当時を振り返る。

岡田さんとDIP佐山さんの出会いは、人を介してのもの。実は岡田さん、過去にDIP佐山さんが設計した「kuribayashi-no-ie」に住む斎藤さんの後輩にあたるのだ。スキップハウスが特徴的な「kuribayashi-no-ie」を見るうちに、だんだんと家を建てるならDIP佐山さんにお願いしたいと考えるようになったと言う。その機会は思ったよりも早く訪れた。

岡田さんの家は一見狭小地に立つコンパクトな住宅に見えるが、実は延床面積は約60坪と広い。平屋と二階建ての建物を上手に組み合わせながら、1階にはリビングと和室、2階はご夫妻の寝室と子ども部屋を確保し、異なる形と異なる色で奥ゆき感を演出している。道路に面したピロティ箇所は駐車場(自転車置き場)と勝手口が直結、雨の日でも濡れないうえに、ドアを開けるとパントリーにつながっていると言う便利さだ。

しかも平屋部分には「kuribayashi-no-ie」と同じジョリパット素材を用いた塗壁がアクセントとなって、落ち着いた佇まい。外観に変化をもたらし、同じ敷地に二つの家が建っているかのようにも見える。

岡田さんの家を作るにあたって、DIP佐山さんが重視したのはゾーニングによる間取りの配置。ゾーニングとは、建築やインテリア計画における設計のプロセスの一つで、相互の関係をみながら空間全体を考えることだ。家族みんなが使う「 パブリックスペース」や、個室などの「プライベートスペース」など、 空間を機能や用途別に分けて、それぞれに必要な広さや位置をゾーンとしてとらえていく。

「ゾーニングを実際におこなうと、全体的なイメージをつかみやすくなります」とDIP佐山さんは言う

家の主要なブロックといえば、まずは家族が集まるLDK。この時に最も重要なのは、家族みんなの無理のない動線をイメージすることだ。そして「家」のゾーニングと同時に「敷地全体」のゾーニングも行なうと、なお良い。

何台駐車するのか?自転車置き場は必要か?庭はどのくらい欲しいのか?玄関アプローチやプライバシーの確保etc。これらのゾーニングにより、敷地の大きさとの割合で、家の配置は変わってくる。特にライフスタイルに車が欠かせないエリアでは、車庫入れや車の乗り降りの利便性が悪いと、ストレスにしかならない。車から降りて玄関に向かう動線を考えてゾーニングする必要があるだろう。

建築デザイン的な観点と、採光確保や高さのバランスなどを考慮した結果、一部平屋の家となったわけだが、ゾーニングにより家族にとってより快適な空間活用をしていることは言うまでもない。

生活の中心となるリビングでは、梁の位置を通常より上げて高さを変えた天井が空間にリズムを創り、暮らしを彩っている。吹き抜けを設けた開放感のある魅力的な空間となっており、夫婦が最も長くいるお気に入りのスペースだそうだ。

また、和の趣もしっかり取り入れたいとの考えから、平屋部分はあえて和室にしている点も見どころ。理想の和室を叶えるために、インテリアにもかなりこだわっている。

和室といえば「畳」だが、オーソドックスな畳ではなく、ここでは半帖畳を使用。一畳の半分のサイズの畳を用いてオシャレで現代的な雰囲気を演出した。1メートル50センチの白木格子の障子と五尺七寸(1 メートル73センチ)の黒障子、部屋の雰囲気をつくる二つの障子も目を引く存在だ。黒障子に至っては、岡田さんからのオーダーであちこち探し出してきた逸品だという。

「和室とアンティークの相性は悪くないので、存在感あるモノが1つあるだけで部屋の印象を格上げしてくれますよ。和物のアンティークを探すのも我々の仕事の一つです。イチから作ると高くなってしまういので、探し出してきて現代の家に合うようにリメイクしています」とDIP佐山さん。

以前の家が積み重ねたものを今に受け継ぎ、新しい生活へ取り入れる。そしてゾーニングによる快適な家のカタチ。この家には、新しい家のあり方がギュッと詰まっている。


  • 作品名

    奥ゆかしい一部平屋の家

  • 所在地

    栃木県下野市

  • 家族構成

    ご夫婦、お子様2人

  • 居住年数

    4年

  • 延床面積・間取り

    125.19u(37.90坪) 4LDK

  • 居住タイプ・構造

    木造2階建て

  • 価格

    家づくり相談をいただいた方限定でお教えしております

  • ご趣味

    家族旅行