DIP

優しい平屋の家

取材作品

夫婦ふたりが暮らすロースタイルリビングの間取り

150坪ののびやかな空間に大胆にゾーニングされた、アメリカの映画やドラマに出てくる米軍ハウスのような平屋。漆喰の白い外壁を白い枠の窓が切りとるアメリカらしい伸びやかさと、日本の和を感じるレトロな趣が魅力だ。  

見学会にお越しいただいたのをきっかけに、建築家のDIP佐山さんに依頼した。

原夫妻は、設計を依頼したもののアメリカ勤務のため、家づくりは2年ほど中断。帰国後、平屋でワンルームっぽい感じにしたいという当初の要望に加え、アメリカでみたような白壁の漆喰を再現したのだという。

「建物をつくるときは周りの状況を照らし合わせて考えることが多く、敷地と並行に設計することはあまりしません。敷地に対してL字形の配棟は、『庭をどう残すか?』『原夫妻にとって理想的なワンルームとは?』といった観点から決めました」と話すDIP佐山さん。

室内の面積を欲張らずに屋外空間をゆったり取った原邸。最大の特徴は、仕切りがないワンルームリビングに尽きるだろう。

とにかく開放的な住まいになったこの家は、なるべく柱やドアが少ない間取りに。キッチンから全体を一目で見渡すことが可能だ。開放的な空間を実現するために、柱やドアは少ないが、和紙畳の奥に予備室をプラン。将来、子ども部屋として自由に使えるよう設計の余地を残している。

ラグのように和紙畳を採用したのは、ソファで過ごすより裸足(床座)で過ごしたいという原さんの希望があったから。夫妻がくつろぐのはいうまでもなく、アイロンがけや洗濯物を畳む家事のスペースとして、また子育て面でお昼寝・授乳といった面で、このスペースがあるだけでライフクオリティは格段に上がることは間違いない。

DIP佐山さんは「洋風な空間に和室をどうやってなじませるか。ここは腕の見せ所だなと思いました。和テイストが控えめな正方形のヘリなし畳と、杉のフローリングの相性が良好でリビングのいいアクセントになっています。和風になりすぎるのはイヤだけど、和室は欲しいという方には是非試していただきたいですね」と話す。

そのほかにも剥き出しになった天井の梁、リビングの照明、日本一の蓄積量を誇る青森県のブナの木を有効利用するために生まれたブランド「BUNACO(ブナコ)」の照明など、リビングには自然素材がふんだんに使われている。

また、家の印象を大きく左右する玄関アプローチに木材と大谷石の要素を取り入れることで、ドラマチックな佇まいに。ノスタルジックな印象でまとめた玄関に、レトロで素朴なライトをコーディネート。ルーバー越しにもれる柔らかい光は、帰宅する家人を暖かく迎え入れるに違いない。

見た目のデザイン性や解放感もさることながら、住み心地の良さにも驚いたという原夫妻。「この家は、リビング、水まわり、ワーキングスペース、ベッドルームとワンルームのようで、部屋の役割が決まっているところが暮らしやすいんです」。

特にリビングの延長のようなワークスペースは、こだわりポイントのひとつ。ハイサイドライトから入る光のおかげで、圧迫感はなし。むしろLDKの家族の声が聞こえ、一体感を味わえる。

また、生活感が出てしまいがちなキッチンや洗面脱衣室においてもひと工夫。動線を考慮しつつも冷蔵庫をルーバーで隠したり、あらかじめ設置したウォークインクローセ゛ットや造作収納を使って生活感の出るものは全部隠してしまっている。

最近はオープンタイプのキッチンをチョイスする家庭が主流だが、散らかってしまう原因にもなりがちだ。毎日の家事を楽しくするために、見た目はもちろん使いやすさをあらかじめ吟味できるのは注文住宅ならではの醍醐味ではないだろうか。

青い空に映える白の外壁。木材との組み合わせによりぬくもりを加え、内に入ると、解放感あふれるLDK空間が広がる。間仕切りをなるべくなくした室内は、家族が多彩な過ごし方を楽しめるオンリーワンの住まいだ。

描いた暮らしのイメージをカタチに。

ひとつなぎとなった家族のお気に入り空間で、笑顔の絶えない楽しい暮らしが築かれている。

  • 作品名

    優しい平屋の家

  • 所在地

    栃木県芳賀町

  • 家族構成

    ご夫婦、お子様1人

  • 居住年数

    10年

  • 延床面積・間取り

    39坪

  • 居住タイプ・構造

    木造平屋建て

  • 価格

  • ご趣味

    読書・旅行