DIP

図書室と中庭のある家(自然素材の家)

取材作品

木格子から漏れる暖かな光と、
家族の日常

ガルバリウム鋼板葺きの外壁が、まるでお城の城壁のようにそびえ立つM邸。敷地は宇都宮市・岩曽の一角にある。設計を手がけた建築家のDIP佐山さんは敷地周辺の環境を配慮した心地よい空間づくりを心がけ、居住性の高い家を建築した。建物は、2021年で竣工10年を数える。  

Mさんから設計の依頼を受けたのは、DIP恒例の見学会がきっかけ。プランニングの際は、家族4人の過ごすシーンを想定したという。そうしてできたのがガルバリウム造の外構とルーバーが存在感を放つ2階建ての家だった。

北向きのエントランスには駐車場と家族全員分の自転車を収める駐輪場を組み込んだ。

「車と自転車、双方向からの乗り降りを考えてエントランスの造形を考えました。エントランスを象徴する三本柱は開放感を優先させ、軽やかな印象に落とし込んでいます。外観の黒はMさんの要望だったのですが、個人的には意外でした。優しい感じの色が好きなのかなと思っていたけど、木のルーバーとの組み合わせでモダンな感じに仕上がりましたね」。そうDIP佐山さんは振り返る。

木製の格子から漏れる光は控えめながら、静謐な夕景に溶け込む。仕事をして疲れて帰宅、そんな時に我が家を見ると思わずほっとする、そんな温かな情景が思い浮かぶようだ。

リビングに入ると一転、光あふれる明るい空間が広がる。特にこだわったポイントは、無垢材の床、漆喰の壁、天然木の建具を活かした自然素材のお住まいにすること。その一区画には、司書業務を仕事にする奥様たってのホームライブラリーが。「大好きな本に囲まれるスペースをつくりたい」という想いを叶える、スペースである。

「小学一年生と幼稚園に通うお子さまも本が好きみたいで、打ち合わせの時にずっと本を読んでいたのが印象に残っています」(DIP佐山さん)。

リビングに大きな書棚をつくることで、そこは特別な居場所に。家族が共通で本を楽しむ場となり、本が本来持っているリラックス感や、本を通した親子のコミュニケーションなど、本好きの方にとって、たまらない空間だろう。

キッチンからリビング、そして和室まで、ひと繋ぎとなった1階は、家族の声が聞こえ、気配がわかる程度にゆるやかに連続。その中心にホームライブラリーの存在がひと役かっているのは、言うまでもない。

また、壁付キッチンの反対側に造作したダイニングテーブルは、まるでカウンターキッチンのよう。家事動線もよく、気軽に話しかけやすい距離感で、家族のコミュニケーションが絶えない。

「ウッドデッキに面した窓を二面採光にすることで、部屋全体に明るく開放的な光が差し込むよう設計しています」と話すDIP佐山さん。

ルーバー効果で人目を気にせず過ごせるウッドデッキは、光を室内に導くだけでなく、BBQや子どもを遊ばせることができるとっておきの空間だ。ウッドデッキに座って、ゆったり空を眺めるだけでもリラックスできる。

「Mさんは研究所に勤めているだけあって、自分の要望をまとめるのが上手。設計でのリクエストに当たって自分たちの要望を一覧にして持ってきてくれたんです。いつもならこっちがヒアリングして、そこに対して予算や提案など具体化していくのですが、イメージが最初からわかっていたので、それが設計の大きな核になりました」と、DIP佐山さんは話を続けた。

「もともと描いていたイメージ以上に良い仕上がりで、とても気に入っています! 色々と要望を出しましたが、プロの目から「こうした方がもっと素敵になりますよ」と逆に提案いただき、とても暮らしやすい家になりました」と満足そうに話すMさん。家族の想いがいっぱい詰まったとっておきの我が家で、日々の暮らしを楽しんでいる。

  • 作品名

    図書室と中庭のある家(自然素材の家)

  • 所在地

    栃木県宇都宮市

  • 家族構成

    ご夫婦、お子様2人

  • 居住年数

    11年

  • 延床面積・間取り

    47坪

  • 居住タイプ・構造

    木造2階建て

  • 価格

  • ご趣味

    自転車・家族旅行・読書