【上棟式のアレコレ】ご祝儀は必要?流れ・準備するもの・費用について解説

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昔からある慣習も、現代では簡略化されているものが多くあります。上棟式もその1つで、近年は簡略化されたり行われなかったりします。新しい住まいが建つ瞬間は、施主にとっても感慨深いものです。上棟を祝い工事の無事を祈願する上棟式は、施主の判断で行うかを決められます。これから住まいを建てる方は、式を行うかどうか検討してみるとよいでしょう。本記事では、式の流れや準備の仕方について紹介します。

上棟式とは?

住まいを建てるときにしばしば耳にするのが、上棟式です。基礎工事の後に、住まいの骨組みを作り屋根を組み立てることを上棟といいます。1~2日で一気に行われることが多く、上棟日は普段よりも多くの職人さんが集まります。

無事に柱や屋根を組み終えたことを祝う場が、上棟式です。職人さんや建設会社の関係者へ感謝の気持ちを表すために、施主が食べ物や飲み物を用意してもてなします。また、ご祝儀を包んで渡すのが一般的です。

同じく住まいを建てるときに催される式に、地鎮祭があります。これは建物を建てる前に行うもので、土地の神さまに安全を祈願する式です。神主さんを呼ぶのが本来のやり方ですが、最近では簡略化して自分で行うケースもあります。地鎮祭をどのように行うかは、施主の判断で決められます。

式が簡略化されるようになったのは、上棟式も同様です。もともとは神主さんを呼んで式を行っていましたが、最近では棟梁が代行することも多いです。棟札や御幣などは、地域によって使用することがあります。

上棟式を行う件数は全体の1割。実施しても略式がほとんど

これから住まいを建てる方は、上棟式をやるべきか迷うこともあるでしょう。上棟式は昔から行われている式ですが、現代では略式で行うか、式自体をやらないことが多いです。また、2×4工法や2×6工法、鉄骨住宅ではそもそも上棟がありません。そのため、上棟式もやらないケースが多いでしょう。ただし、施主が希望する場合は簡略化した式を行う場合もあります。建設会社から上棟式を強要されることはないため、施主が式を行うかどうか検討しましょう。

ご祝儀は参加する現場関係者の人数分が必要

式を準備する際は、参加する人数を把握しておく必要があります。参加者は、棟梁、現場監督、職人、設計者、担当者などの関係者です。家族以外の参加者は、7~8人ほどになることが多いです。正確な人数を把握するために、事前に建設会社へ連絡して聞いておくとよいでしょう。

次に必要な予算について説明します。まず、ご祝儀を関係者の人数分用意する必要があります。また、食べ物や飲み物を手配する必要もあるでしょう。ご祝儀の目安は、棟梁が2~5万円、現場監督が1~3万円、職人が5千~2万円ほどです。参加する人数は、関係者へ聞いて予め把握しておくとよいでしょう。ただし、建設会社によっては会社の方針でご祝儀を受け取れないケースもあります。ご祝儀を受け取ってもらえるかどうかは、事前に確認しておくとスムーズです。ご祝儀や食べ物、飲み物などを用意する費用を合計すると、15~30万円ほどになります。

上棟式の大まかな流れ

新しい住まいを建てるときに上棟式を行う予定の方は、式の流れを知っておくとよいでしょう。ここでは、事前に用意するものや当日の流れを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

用意するもの

当日に向けて用意するものは、お酒・塩・お米・棟札・御幣などがあります。また、職人さんや関係者をもてなすための食事や飲み物、ご祝儀も用意しましょう。食事は食べやすいお弁当などを用意することが多いです。無理に高級なものを揃える必要はなく、お肉や魚などスタミナがつくお弁当を数種類用意するのがおすすめです。御幣は建設会社で用意してもらえる場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

当日の流れ

上棟式は柱や梁を組み立てて、棟上げする日に行うのが一般的です。当日は朝から建物の骨組みを組み立てていき、お昼休憩を挟んで午後に上棟が終わります。上棟を終えた後に、上棟式が行われます。細かい流れは地域によって異なるため、建設会社に聞いてみるとよいでしょう。場合によっては、お昼休憩や15時の休憩時に式を行うケースもあります。

これから紹介するのは、簡易的な上棟式の手順です。はじめに棟梁が、棟木や祭壇に御幣・棟札を飾ります。次に四方固めの儀と呼ばれる、お清めを行います。米・塩・酒などをまきましょう。祭壇に向かい、工事の無事を祈願して二礼二拍手一礼します。上棟の儀を終えたら、直会の儀と呼ばれる施主の挨拶と乾杯を行います。その後に棟梁や関係者からも挨拶をもらいましょう。最後に手締めをして、上棟式を締めくくります。用意しておいたご祝儀や引き出物を出席者に配って、式を終えましょう。

式のやり方は、地域によっても異なります。地域の風習を知りたいときは、建設会社に相談してみるとよいでしょう。

上棟式を行うメリット

上棟式を行う場合は費用や手間がかかるため、どうしても負担がかかります。現代では簡略化されるケースが増えており、式をやらなくても問題ありません。ただし、職人さんに感謝の気持ちを伝える場があると、職人さんとの距離が縮まります。住まいを建てるときに職人さんと交流を持っておくと、工事後のトラブルにも対応してもらいやすくなるでしょう。ご祝儀の有無で住まいの品質は変わりませんが、職人さんとコミュニケーションが取れる場を作れるメリットがあります。

上棟式に関するよくある質問

上棟式は経験する機会が少ないため、わからないことも多いでしょう。当日の服装やご祝儀の包み方を知っておくと、余裕を持って準備できます。ここでは、上棟式の準備でよくある質問を紹介します。

食事の用意は必要?

当日は職人さんや関係者の人数分、お弁当を用意します。また、乾杯するときのお酒も用意しましょう。差し入れにはお茶やお菓子など、手軽に食べられるものが好まれます。夏場は炎天下での作業になるため、冷たいお茶があると喜んでもらえます。

ご祝儀の書き方は?

職人さんや関係者の方に渡すご祝儀は、のし袋に入れて用意しましょう。のし袋の種類は慶事で、水引は紅白の蝶結びかあわじ結びを選びます。結び切りの水引は繰り返しを避ける意味があるので、お祝い事では使用しません。

次に、表書きと中袋の書き方を説明します。水引の上には御祝儀と書きます。また、水引の下に書くのは施主の氏名です。表書きを書くときは、毛筆や筆ペンを使います。ボールペンを使うとマナー違反になるので、注意しましょう。中袋にはお金の金額と施主の住所・氏名を書きます。金額は表側の中央に、漢数字で書きましょう。また、施主の住所・氏名は裏側に書きます。

当日の服装は?

簡易的な式であれば、服装はカジュアルでも大丈夫です。パンツスタイルにシャツを合わせた服装などがよいでしょう。ジーンズでも問題ありませんが、お祝いの式なためチノパンやスラックスを選ぶのがおすすめです。式によっては、全員で記念写真を撮ることもあります。清潔感のある服装を選んでおくと、写真を撮るときにも困りません。

神主さんを呼んで式を執り行う場合は、準正装を選びましょう。男性はスラックスにジャケットを羽織る恰好や、シャツにネクタイを締めた恰好がおすすめです。結婚式のように正装する必要はありませんが、スーツを着て出席するのもよいでしょう。女性はワンピースやパンツスタイルがおすすめです。スカート丈が短すぎないものを選び、肌の露出にも気を付けましょう。靴はヒールの低い靴を選ぶと、歩きやすく安全です。暑い季節でも、サンダルでは出席しないようにしましょう。

上棟式は外で行うため、気候に合わせて服装を選ぶことも大切です。夏場は直射日光を遮るために、帽子や日傘があると便利です。また、暑いからといって肌を露出しすぎると、虫に刺される可能性もあるため注意しましょう。反対に冬場は、カイロなどを用意しておくと寒さ対策になります。

挨拶はどんなものがよい?

施主の挨拶では、棟上げを無事に終えたことに対する感謝の言葉と、今後の工事が無事に進むことを祈願する言葉を述べます。また、工事に携わっている職人さんや関係者の方々へ、感謝の気持ちを伝えましょう。特に決まりはないため、難しく考える必要はありません。自分の言葉で感謝の気持ちを述べることが、良い挨拶にするポイントです。

上棟式は予算に合わせて無理のない範囲で検討しましょう

住まいの柱や梁を組み上げる瞬間は、一生のうちで数少ない経験です。注文住宅の場合は、こだわりの住まいが形になる瞬間でもあり、施主にとって貴重な体験になるでしょう。上棟式を行うかどうかは、施主の判断に任されています。手間や費用もかかるため、無理して行う必要はないでしょう。家族と相談して、どのようにするかを検討してみてください。

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